週末なので? 航空界の話 ④
- 2024.08.25
- 501. パイロットの話
週末は市場が閉まるのでつまんない
ってことで、時々雑談的なことを書いてきました。
第三弾 (ボイスレコーダー の話)
↓
に続く第四弾。
今日は “燃料投棄” 。
英語では『フューエルダンピング』や『フューエルジェティソン』と呼ばれているやつです。
超絶簡単に言うと
『航空機がその重量を減らすために上空で燃料を捨てる行為』
のことですね。
空中に捨てられた燃料は地上に到達する前に気化するので問題無い、とは言われていますがぁ、、
地上で吸っている空気には気化した燃料も含まれている?と考えると少し気持ち悪いかもしれませんねぇ 苦笑
燃料は血の一滴 と言う人もいる位、パイロットにとっての『燃料』は大切なものです。
足りないと墜落するので、多いなら多い方が良い
かと言って無闇に追加すると経営効率が悪くなって文句言われる会社もある
でも、燃料が足りない状況で飛行機を飛ばし続けるのは不安
みたいな感じで、”悩む” 類のものです。
ではここで問題。
緊急着陸を決断したパイロットは、どのタイミングで燃料を投棄すれば良い(安全に生還する確率が上がる)のでしょうか?
大事な燃料なんだから、最後の最後、ギリギリまで残しておくべき?
ある程度、着陸の目処が立ったら時期を見て、他の飛行機や地上の人達への迷惑も考えて燃料投棄のタイミングをはかる?
要らない燃料はとっとと捨てる??
この質問、本物のパイロットに聞いたとしても、、
その人の経験や現に飛ばしている飛行機、その他の状況によって、回答が変わる気がします。
ずるい?パイロットは、こう答えるかも知れません。
『状況による』
って、どんな状況だよ!! 笑笑
話が長くなってきたので、とっとと結論を書いちゃいますね。
小さな飛行機に乗ってきたパイロット達は、燃料を最後まで大切にするかもしれません。(小型機にはそもそも燃料を捨てる機能自体がないので、その名残で「最後まで燃料は大事にする」)
大きな飛行機に乗っている期間が長いパイロット達は、新しい目的地を決めたなら即座に燃料を捨て始める(のが正解)かもしれません。
?????
理由は??
大きな飛行機って、目的地までの燃料を積んでいると、機体の重量が大き過ぎるんですよ。
滑走路の長さ、滑走路の強度、飛行機の脚の強度、などを考えると、着陸する時の機体の重さは、軽い方が良いんです。
着陸後に機体が燃えてしまうことを考えると、やっぱり燃料は少ない方が被害が小さくて済むかもしれません。(翼部分だけでなくボディにも燃料積んでいて爆発したら?と考えると怖いでしょ?)
決められている最大の重さを超えて着陸をする場合、追加で様々なリスクを負うことになります。
かと言って、燃料投棄の為に緊急着陸までの時間が余計にかかってしまうと、安全に生還できる確率が下がってしまいます。
イケテル パイロットとしては??
より早く、より安全に、着陸するべきだと考えたりもしちゃうわけです。
っと考えると??
大きな飛行機で長距離を飛んでいるベテランパイロット達ならば、、
『緊急着陸する空港を決め、燃料投棄が必要な状況であるならば、即座に燃料投棄を始める』
という選択肢が唯一無二になる??
のかもしれませんね〜〜(^^;
少しでも早く着陸する→燃料投棄に時間を取られている間に事態が悪化するかも知れない
少しでも安全に着陸する→決められている着陸重量を超えて着陸する場合でも、なるべくなら機体重量は小さい方が良い
週末なので? 航空界の話 ④
今日は『燃料投棄』のお話でした〜
(^。^)/
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